高いびきで寝ている人ってとても気持ち良さそうですよね。
でも本当は大間違い!
いびきは健康の大敵、少し大袈裟かもしれませんが生命の危機でもあるんです!
それに“いびき”が続くと、
「うるさい・・・」「眠れない・・・」など、迷惑な人にもなってしまいます。
当人にとっても、周囲の人にとっても迷惑な“いびき”ですが気にすることはありません!
いびきは軽減できるし、診察して原因がわかれば改善も期待できます。
ここでは“いびき”と“睡眠時無呼吸症候群”についてご案内します。
お心当たりのある方はぜひ最後までご覧ください。
いびきは基本的に仰向けで寝た時に起こります。
睡眠によって緊張が解けた軟口蓋や舌根が垂れ下がり、呼吸の通り道である上気道が狭まります。
この狭くなった上気道を空気が通る時に起こる振動がいびきです。
単なる眠気? それとも睡眠時無呼吸症候群? さあチェックしてみよう!
活動中の眠気をご自身で簡単に判定できます。
いびきでお悩みの方、居眠り運転が心配な方はESS検査をお試しください。
エプワース眠気尺度(ESS:Epworth sleepiness scale)によるチェック
0:眠ってしまうことはない 1:時に眠ってしまう 2:しばしば眠ってしまう 3:だいたいいつも眠ってしまう
座って読書中 | 0 1 2 3 |
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テレビを見ている時 | 0 1 2 3 |
人の大勢いる場所(会議や劇場など)で座っている時 | 0 1 2 3 |
他の人の運転する車に、休憩なしで1時間以上乗っている時 | 0 1 2 3 |
午後に、横になって休憩をとっている時 | 0 1 2 3 |
座って人と話している時 | 0 1 2 3 |
飲酒をせずに昼食後、静かに座っている時 | 0 1 2 3 |
自分で車を運転中に、渋滞や信号で数分間、止まっている時 | 0 1 2 3 |
睡眠時無呼吸症候群は(SAS)は睡眠障害という病気です!
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は先にご案内した【いびきのメカニズム】の図にあるように、睡眠中に舌が喉の奥に沈下することにより気道(空気の通り道)が塞がれ、大きないびきをかき、睡眠中に呼吸が止まったり、止まりかけたりする状態が断続的に繰り返される病気です。
睡眠が浅くなると同時に脳への酸素の供給も悪くなるため、質の良い睡眠がとれず、日中強い眠気を感じたり居眠りがちになったりして、集中力に欠けるなどの状況が生じます。
1990年に発表された睡眠障害国際分類(ICDS)では、睡眠時無呼吸症候群は不眠症と同様、睡眠異常という病気として分類されています。
基本的には、
7時間の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上起こる
または、
睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる
場合に睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
また、睡眠時無呼吸症候群には次の3種類があり、歯科医院で予防できる睡眠時無呼吸症候群は閉塞型になります。
中枢型は脳血管障害などによる呼吸中枢の障害から起こるものなので医科の分野になります。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群 | 上気道の閉塞によるもので呼吸運動はある。肥満者に多い。 |
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中枢型睡眠時無呼吸症候群 | 呼吸中枢の障害により呼吸運動が消失するもの。 |
混合型睡眠時無呼吸症候群 | 閉塞型と中枢型の混合したもの。 |
これより歯科医院で予防できる閉塞型睡眠時無呼吸症候群を単に睡眠時無呼吸症候群と呼びます。
睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病や肥満、顎の問題、扁桃腺肥大、アルコールなどの影響を受けます。
特に肥満体形や首が短くて太い、顎が小さい人などにおこりやすいとされています。
睡眠中に息ができなくなるわけですから、息苦しさから熟睡できていないのですが、そういった自覚が本人にはないことも特徴のひとつです。
睡眠中の症状 |
いびきが大きい 呼吸停止が起こる
頻繁に目が覚める 頻繁なトイレ(2型糖尿病になりやすい) 不眠症 こむら返り(ふくらはぎに起こる筋痙攣) |
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活動時の症状 |
熟睡感がない 起床時の頭痛
日中の耐え難い眠気 集中力の低下 突然の意識消失 前後の記憶不全 |
その他の症状 |
肥満 勃起機能不全、月経不順
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睡眠中に睡眠時無呼吸症候群によって肺の機能が低下すると、血圧が上昇し、血液も凝固しやすくなります。
呼吸機能の低下による低酸素血症(動脈血中の酸素が不足した状態)や高炭酸ガス血症(血中に炭酸ガスが蓄積した状態)が様々な合併症を引き起こす危険因子とされ問題になっています。
高血圧(心不全・心筋梗塞) | 脳血管障害(脳卒中) |
糖尿病(高脂血症) | 多血症(頭痛・めまい) |
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞) | 不整脈(めまい・動悸・失神) |
当院では、いびき・睡眠時無呼吸症候群対策としてマウスピース形状の「スリープスプリント」を導入しております。これを睡眠時にお口に装着することで下顎が上顎より少し前に出た状態(反対咬合みたいな感じ)に固定され上気道の閉塞を防ぐことができます。舌の根元も引き上げられた状態になり、気道がしっかり確保でき、いびきや無呼吸がなくなるためグッスリと安眠できるようになります。
また、活動中の我慢できない眠気がなくなるため、仕事などに集中できるようになります。
スリープスプリントによる予防ができない方
残っている歯が極端に少ない方 | 慢性的に鼻腔の通りが悪い方 |
スリープスプリントの利用でおこる影響
歯列や顎関節の違和感が出る場合があります。 |
歯列への影響も考えられますが、医師ときちんとコミュニケーションをとり、スリープスプリントを調整すれば解決できます。 |
睡眠時無呼吸症候群を根本的になくすには?
基本的には歯科医師の話をよく聞いて、睡眠時無呼吸症候群のことをよく理解してください。
特に生活習慣病との関わりが深いケースが多いので、食生活を含めた日常生活についてお話します。多くの場合、肥満を含む生活習慣病を改善することで睡眠時無呼吸症候群は改善され、より健康的で充実した生活をおくることができるようになります。
当院運営のブログでも睡眠時無呼吸症候群 のカテゴリを設けております。
無痛治療に関する情報などがありますので、ぜひご覧ください。